1995年の阪神淡路大震災で亡くなった方の多くは、建物の倒壊や家具の転倒による圧死だった。
家族を守り、愛を育むはずの家(建物)によって、尊い命をなくしてしまうなんて。
そう思った一人の男が立ち上げたのが、日本木造住宅耐震補強事業者共同組合(木耐協)だ。
私も、その協会の組合員だ。
東日本大震災の時、私はたまたま、古い木造住宅に住んでいた。
壁がほとんどなく、窓とふすまの間仕切りだらけの家だった
大きな地震がきたら、すぐにつぶれると思った。
その速さは、揺れ始めからたったの20秒程度だ。
阪神大震災の時のように、寝ている時間だったら、きっと逃げようもない。
うちには、自分で逃げることのできない双子がいる。
二人を抱っこして逃げ出すことは無理だ、と判断した。
「すぐ引っ越さねば」そう思った。
この家が危ないと知りつつ、家がつぶれて子供を亡くすなんていうことが
あっていいわけがない。私は建築士だ。
住宅の耐震リフォームは、費用が掛かる。
平均的な工事費は150~200万円。
そうだとしても、高い確率で来るといわれている大地震に対して
準備すべきではないかと思うのだ。
地方自治体(市町村)によっては、補助金が降りるところもある。
家族を亡くしたくないではないか!
窓の大きい開放的な家は、新しくても要注意だ。
昭和56年に、建築基準法の改正があり、それ以降の他物を、新耐震基準としているが、実は、熊本地震の分析の結果、昭和56年から平成12年の間の建物も、要調査だ。
しかし、費用がどうしても捻出できない人には、
耐震部屋を造るのはいかがだろう?
シェルタールームだ。
夜寝るのはもちろんだが、昼間も地震に気づいたらすぐに駆け込む。
20秒以内に駆け込む。そこに、非常袋も備えておく。
そんな部屋だ。
それは、作り方にもよるが40~50万円か?
建物は倒壊しても、命を守るということに注力するのも有りだと思う。
建物が古いのに、何もされないなら、せめて2階に寝るようにしよう。
家にいるときに被災するとは限らない。
家族で集合場所を決めておくのも大切。
とにかく、家族が集まれるように、取り決めを考えよう。
建物は、家族を守るものでなくてはならない。
深い悲しみに基づく経験者の熱い思いを、わたしは、少しでも伝えて、広めていかなければならない。
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